ヤマジ君の…ヒミツ★
「いや、あの子は絶対、お前に惚れとる」


サトシはまだそんなことを言っていた。


そういや、彼女、保健室で僕に何か言ってたような気がするけど。

なんだっけかな……。


ま、いーか。



あ、そだ。


僕はふいにちょっとだけサトシを試してみたくなった。


「サトシって、あの子の名前知ってる?」


「桜田はる子ちゃんやろ」


さすがサトシ。

違うクラスの女子の名前までフルネームで即答した。

ある意味、神業だな。


そこまで他人のことに興味を持つ彼をしみじみと尊敬した。


ま、その知識は女子だけに向けられているんだと思うけどね。



「てか、もう帰ってよ。オレ眠いんだけど……」


僕はもそもそと布団にもぐりこんだ。
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