ヤマジ君の…ヒミツ★
すでに夜11時を回っている。

うちは今両親がいないし、サトシの家も母親は夜の仕事をしているので、こんな時間に家に帰っていなくても誰も文句をいう者はいない。


だけど、そろそろ眠くなってきた。

ふあああああと大きな欠伸をして目をこすった。

ちなみに僕は眠るのが趣味ってぐらい、眠ることが好きだ。

もしも許されるなら、一日中眠っていたいぐらいだ。



「はぁ? 何言ってるねん、夜はこれからやろ? 寝かさへんで」


サトシが無遠慮に布団をバサッとめくる。


「やめろって。てかなんで帰らないの? 帰りたくない理由でもあんの?」


僕の言葉にサトシの表情が変わった。

ギクッ……なんて効果音が聞こえそうな感じ。


僕はパッとベッドから立ち上がると、壁にかけてあったサトシの制服のブレザーのポケットに手を入れた。


「うわっ。おい、やめろって」

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