ヤマジ君の…ヒミツ★
そんなことないない!

これじゃ、まるで工藤聡史にポッとするそこらへんの女子と同じじゃない!


だいたい、工藤聡史なんてあたしの好みのタイプとは全然違うんだから!

あたしの好きなタイプは……

王子様みたいに繊細な雰囲気をまとった人。


つまり、こんな感じの……


あたしは目の前のヤマジ君に視線を送る。


「ん?」


ヤマジ君は子犬みたいに無垢な瞳であたしを見つめる。


キュンッ……


ハッ!

またキュンってなった!

ち、違うってば!

だから、あたしのヤマジ君に対する気持ちはそんなんじゃないんですから――!


あたしはブンブンと顔を振って、自分の中に浮かんだ煩悩を掻き消した。

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