ヤマジ君の…ヒミツ★
「……チェックメイト」
……ほぇ?
チェックメイトおおおおおおお?
工藤聡史のその言葉を聞いた瞬間、あたしは慌てて顔を上げた。
「うわあああああ。工藤、ちょっと待ってくれやあああ……これはないやろう」
「先生、このルークで詰めてるつもりやったんやろ? 甘いなぁ……。脇が甘すぎる」
あたしは呆然としながら、体を部屋の中に進めた。
「チェ……チェス?」
あたしの目の前には、教官室のテーブルでチェスボードを囲む三人の姿。
そ……そういうこと?
ヤマジ君と大釜先生はチェスをやっていただけだったの?