片思いー終わる日はじめる日ー


 そして迎えた初めての体育の授業。
 新しい学校に慣れなくちゃ…なんていう決意もふっとぶ異次元ぶり。
 4クラス分の女子が集まっても40人。
 たった40人。
 されど40人の異世界人の迫力といったら。
 赤やら、青やら、シマシマやら、水玉が、あっちをうろうろ、こっちをうろうろ。運動するのにミニスカの子までいたりして。なに考えてんの?
「おーい、女子、集まれぇ」
 はいよ、はいよ。
 遠くからだと眼鏡のクマに呼ばれているみたい。
 あのオジサンが女子の担当らしい。

「よーし。私が近藤だ。ほんじゃさっそく。AとD、出席番号が1番若いヤツ手ぇ上げぃ」
 ええっ。
 また出席番号?
 いったいいつまで続くの、この攻撃は。
「おーし。A組3番、井森(いもり)と、D組1番、相田(あいだ)ってのは、おまえらか。倉庫に行ってバレーボール取ってこい。ダッシュ!」
 なぁにがダッシュだ。
 命令くらいちゃんとして。
「いくつ? 先生」
「がははは。プライベートな質問には答えんぞ、相田」
「…………」
 あたしは石川じゃ、なーい。
「何個? カゴごとですか、って聞いてますけどっ」
「あ」ぽかんと口を開けたクマ先生が身体を折って笑いだす。
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