片思いー終わる日はじめる日ー
あたしが伸ばした腕は、ぎりぎり大海ちゃんの指に届いた。
大海ちゃんが振り返る。
「麦を、ひとりにしないで」
あたしの指はもう、麦に届かない。
あたしはもう友だちにもどれない。
「有実……、だって……」
「麦は中井が好きなの」
大海ちゃんが、息をのんであたしを見つめる。
あたしはつかんでいた彼女の指をそっと放した。
「有実……」
身体がふわりと浮いた気がした。
こんなに、こんなに、そのことがあたしのなかで重くふくらんでいたなんて。
だれかに言えて。
言ってしまって。
あたしはやっと失恋できたのかもしれないね。
大海ちゃんが振り返る。
「麦を、ひとりにしないで」
あたしの指はもう、麦に届かない。
あたしはもう友だちにもどれない。
「有実……、だって……」
「麦は中井が好きなの」
大海ちゃんが、息をのんであたしを見つめる。
あたしはつかんでいた彼女の指をそっと放した。
「有実……」
身体がふわりと浮いた気がした。
こんなに、こんなに、そのことがあたしのなかで重くふくらんでいたなんて。
だれかに言えて。
言ってしまって。
あたしはやっと失恋できたのかもしれないね。