片思いー終わる日はじめる日ー
結局、石川に誘導されて縦割り班組成は1学期のまま。
列だけ陽当たりの不公平がないように横ロールで移動。
お試し期間あり。決定。
1班は、前から、内山・伊勢・赤根・大海・あたし・石川…の順になった。
それでもう内山くんが石川の手下になっていたのが確定。
だって、巨体をはずかしがってる内山くんが、1番前がいいって言ったのよ。
そうしたら空気読む達人の伊勢くんが『じゃ、ぼく2番に移動するね。赤根、同じ席じゃつまんないだろ』って。
あとはもう決まったも同然。
「相田ぁ、消しゴム貸せ」
突然うしろから頭をたたかれた。石川だ。
「痛いな、もう。隣りの久保っちに借りなよ」
「いいから貸せっ」
ばかやろう。
だれが貸すもんか。
「んもう、どうして石川くんと有実はそうなの?」
前の席から大海ちゃんのお小言。
「だってぇ、石川が悪い」
「有実。いいから貸してあげなさい。うるさーい」
「――はーい」
大海ちゃんは強くなった。
『わたし…赤根くんのうしろが、いいな』って。
真っ赤になりながら、それでもちゃんとそう言えたときから。
「自習の時間だからって、ダメよ、ふたりとも」
「はーい」「はーい」
石川とふたりして大海ちゃんに怒られながら、過ぎていく時間。
「あんたって本当にガキね、石川 啓介」
「おたがいさまだ、相田 有美」
あたし……。
こんなふうに、麦のことを忘れていくのかなぁ。
列だけ陽当たりの不公平がないように横ロールで移動。
お試し期間あり。決定。
1班は、前から、内山・伊勢・赤根・大海・あたし・石川…の順になった。
それでもう内山くんが石川の手下になっていたのが確定。
だって、巨体をはずかしがってる内山くんが、1番前がいいって言ったのよ。
そうしたら空気読む達人の伊勢くんが『じゃ、ぼく2番に移動するね。赤根、同じ席じゃつまんないだろ』って。
あとはもう決まったも同然。
「相田ぁ、消しゴム貸せ」
突然うしろから頭をたたかれた。石川だ。
「痛いな、もう。隣りの久保っちに借りなよ」
「いいから貸せっ」
ばかやろう。
だれが貸すもんか。
「んもう、どうして石川くんと有実はそうなの?」
前の席から大海ちゃんのお小言。
「だってぇ、石川が悪い」
「有実。いいから貸してあげなさい。うるさーい」
「――はーい」
大海ちゃんは強くなった。
『わたし…赤根くんのうしろが、いいな』って。
真っ赤になりながら、それでもちゃんとそう言えたときから。
「自習の時間だからって、ダメよ、ふたりとも」
「はーい」「はーい」
石川とふたりして大海ちゃんに怒られながら、過ぎていく時間。
「あんたって本当にガキね、石川 啓介」
「おたがいさまだ、相田 有美」
あたし……。
こんなふうに、麦のことを忘れていくのかなぁ。