【完】今夜も愛してあげる。
え……?
朝哉さん、カフェで初めて話した時は物腰柔らかだったのに素との性格のギャップがすごい。
いや、それはどうでも良くて。
湊叶さんじゃなくて、私が行く意味あるの?
戸惑ってる間に、朝哉さんの姿は消えていた。
「智紗を指名してくるのは予想外だったな…」
「どうしたらいいですか…?」
「行かない方がいい。朝哉を疑いたくはないけど、何か嫌な予感がする。」
「私が行くことによって話してくれるなら、従うしかないですよね」
湊叶さんは私の肩を掴むと、首を横に振る。
「明日は1日業務に追われて、いざと言う時に君を守ってやれない。分かってくれ」
「さっきは怖かったけど、決して悪い人じゃないと信じたいんです。駄目ですか…?」
「………少しでも危険を感じたら、交番まで走るか俺に連絡して」
「分かりました」
この時、忠告を素直に聞いておけばよかったんだ。
どんなに浅はかだったのか、思い知らされるとは思わなかった。
Chapter.5 完