【完】今夜も愛してあげる。
私の声には答えず、真顔でこちらを見つめ続ける。
「アイツと離婚したいって言ってたな」
「…?」
何のこと?
あ、私が家出してカフェに行った時に言った言葉か。
「あの時は喧嘩してたのでつい愚痴を零してしまったんですけど、今は思ってないです!」
「…何だ、つまらない。手助けしてやろうと思ってたのに」
離婚する手助け…?
探偵の調査はもう依頼してないはず。
「お前達の事を色々と調べさせて貰った。外見や能力まで全てが優れているアイツと、平凡なあんたではどう見ても釣り合ってない。」
パッとしないって言われたの気にしてる最中で傷を抉られた、辛い。
やめて、私のライフはとっくにゼロ。
「それに引き換え俺はあの男よりあんたに合ってると思う」
「…何が言いたいのか分かりません」
「アイツと別れて俺にしないか?」
「っ!?」
「ああ、別に一夜限りの関係で構わない」