【完】今夜も愛してあげる。
だけど、婚姻届を書く前にいくつか約束されて
1.お互いの事には干渉しない
2.連絡は必要最低限にする
3.自分の事はなるべく自分でやる
ああ、断れなくて仕方なく結婚したんだなって悟った。
別にいいよ。
親にいつ結婚するのか、いい人はいないのかと聞かれるのにうんざりしてたし。
そうして、結婚生活が始まった。
出会ってから今日までの間、彼に触れたのは腕を組む時くらいで、手を出されたこともやキスされたことも無い。
言われた通り、連絡は「今日は夕飯を作っておいて欲しい」「仕事が立て込んで1週間ほど帰れない」のメッセージに「了解です」と一言返すだけの、本当に義務的なもの。
月に1回デートする際に久々に顔を見る。
自宅で会ったとしても、変に気を遣う必要も無い。
面倒くさがりな私にとって、この関係は最高に楽だった。
仕事もせずにただ自由に謳歌するという天国を手に入れることができたんだ。
もはやただのニート。