【完】今夜も愛してあげる。
通知を見たら案の定『どこにいる?』『連絡してくれ』と何件もメッセージが来ていた。
観念して居場所を伝えると、5分も経たないうちに彼に肩を軽く叩かれた。
行動が早すぎる。
走って来てくれたのかな、ちょっと大げさ。
「わざわざ迎えに来なくてもよかったのに」
「当たり前だろ。夜中に女性一人で出歩くのがどれだけ危険か分かってんの?
心配したんだからな」
「す、すみません……」
結婚して初めて怒られたかもしれない。
そこまで心配しなくてもって思うけど。
「はぁ……終わるまで待っててあげる。これからは無断でどこかに行ったりしないで」
「はい」
隣に座って、大きな手を優しく絡めてくる。
私たち以外に誰もいないから、二人きりのデートみたいでドキドキする。