【完】今夜も愛してあげる。
この生活は長くは続かないと確信していたのにーー
籍を入れた翌日から、朝帰りせず毎日家に帰って来るようになって、
つまり、一緒にいる時間が増えた。
「智紗《ちさ》さん、おはよう」
「………おはようございます。」
寝ぼけ眼の私を迎えたのは、爽やかな笑顔。
お味噌汁のいい匂いがするなぁ……
えっ、デニム生地のエプロンを着けて料理している………似合い過ぎててヤバい。
現在、AM7:00
この時間帯に、湊叶さんが家に居ること自体が珍しくて戸惑ってしまう。
「今日も出勤時間は遅めなんですね」
「ああ、あと1時間後に出るよ。それまでに朝ご飯作っておいたよ、一緒に食べよう」
「疲れてるのに申し訳ないです。私が作ったのに…」
「時間に余裕があったから、気にしないで。口に合えばいいんだけど」
一汁三菜の、健康的な和食が食卓に並んでいた。
恐縮に思いながら席に着き、味噌汁を1口飲む。