【完】今夜も愛してあげる。



発売初日の朝、出勤の準備をする湊叶さんに声を掛ける。



「あの、私、この雑誌が欲しいです」


「君がおねだりするなんて珍しいね。どれ?」



にこやかな笑顔だったのが、スマホの画面を見た瞬間に険しい顔になった。

そんなに蓮くん嫌いなの!?



「……またこの人か。本当に好きなんだな」


「はい、大好きです!」



高2の時に好きになり、ずっと一途に応援し続けて6年目になる。

その間他のグループに目移りしたことはなかったし、これからも蓮くんだけを推すと自信をもって言える。


あ、もちろんCOOLBOYS箱推しでもあるよ。



「残念だけど、俺が仕事でついて行けないから駄目だ」


そう言われると思ってた!

でも、今回ばかりは絶対諦めない。



「1人で行けます!一生のお願いですから行かせてください!雑誌買ったら寄り道せずにまっすぐ帰ります!!」



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