【完】今夜も愛してあげる。
それに、いつだって最高の歌声とダンスを魅せてくれるからそれで充分。
見返りが欲しい訳じゃない。
推しが幸せなら、笑顔でいてくれるなら、私も幸せなの。
大好きな推しを馬鹿にされてまで、結婚生活を続ける理由なんてない。
イケメンと高収入に釣られて結婚してしまった私は、どれだけ愚かだったのか今更気づく。
自力でルートを変更をすることにする。
どれだけはぐらかされようが、離婚してやると決心した。
帰宅した彼に話がある、と伝えると「奇遇だな、俺もだ」と小さな紙袋を手渡して来る。
「智沙に似合いそうなランジェリーを見つけて買ってみた、店で買うのかなり恥ずかしかったけど」と照れたようにはにかむ。
下着とかどうでもいい。もう別れるから。