【完】今夜も愛してあげる。
ほんと、私に執着する彼の真意が未だに理解できない。
昨日の夜は、狭い一室で好きなだけ動画を見て、漫画を読みまくって久しぶりに一人の時間を満喫できた。
自由ってこういうことだよ!
ずっと続けばいいのにとはしゃいで眠りについたものの、隣から物音がしてうるさいし椅子も固いし、店内の空調が暑くて何度も目を覚ましてしまう。
ふと、大きなふかふかのベッドに柔軟剤の香るシーツ、私に合わせられたちょうどよい温度の空調が効いてるあの寝室が恋しくなってしまった。
いや、しばらく帰らないって決めたとこじゃない。
ホテルに泊まってたらお金なくなっちゃうからこれで我慢しないと…!
ネットカフェで検索したら出てきた探偵事務所。
評判がかなり良いらしく、電話してみたら面談の予約を取ることが出来た。
次の日、やっと不自由な生活とおさらばできるとワクワクしながら来たものの、
張り切りすぎて約束の時間の1時間前に到着した。