憂鬱な女
チョコは、かまって欲しそうに体を寄り添って鼻を鳴らす。
パソコンの画面から目をそらしチョコと目を合わせる。
膝に前足を乗っけて小さなシッポを左右に揺らす。
「これが終わったら散歩してあげるからさ、待っててよね」
チョコの頭を撫でる。
再びチャットを始める、そしてモンスターを殺す。

チョコは我慢が出来ずに膝の上に飛び乗ってくる。
私を見つめて舌をペロンと出す。
こうすれば喜んでもらえると知っているから。

「集中できないじゃない!」
声を荒げて力任せにチョコを放り投げた。
小さい体は簡単に宙を舞いカーテンを揺らしポトリと落ちた。






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