すてきな天使のいる夜に
「いいよ、俺に体重かけちゃって。」
「ごめんね…。」
「いいんだよ。それより、ずっと我慢してたのか?」
「…うん。」
「やっぱりか。
さっきのは、喘息の発作。苦しかったよね?」
「うん。」
「きっと、これから喘息の発作は起きると思う。だから、その時は我慢しないで、俺か翔太に言うこと。頼ること。1人で抱え込んだりしないで。」
「でも…」
「沙奈、俺と翔太はな、沙奈が可愛くてしかたないんだ。沙奈のためなら何でもしたいと思ってる。だから、沙奈はもっと甘えることをして欲しい。」
「紫苑。
私ね、ずっと紫苑と翔太に嫌われたらどうしようって思ってた。お父さんみたいにひどいこと言われたらどうしようって。だから、紫苑と翔太の前ではいつも笑顔でいようって思ってたの。
笑顔じゃないと可愛くない妹って愛想つかされるんじゃないかって不安だった。
だけどね、今は違う。紫苑と翔太が私を思ってくれてること十分に分かったよ。ありがとう。」
沙奈の突然の感謝の言葉に、俺は顔が赤くなったのが自分でも分かるくらいに熱くなった。
突然告白されたみたいな感覚。
いつもごめんねしか言わないから沙奈のありがとうっていう言葉に弱い。
やっぱり、沙奈は俺達の自慢の妹だな。
それからずっと、背中をさすっていると膝の上で安心して眠る沙奈がいた。
沙奈の体を持ち上げた時に思ったけど、また痩せたよな。
もうちょっと食べた方がいいと思うけど、元々食が細いし食欲にもムラがあるから難しいよな…。
俺は、沙奈が起きないようにベッドに戻しそれからそこで沙奈の眠りを見守った。