すてきな天使のいる夜に
ーside 沙奈ー
私は、夜が開ける前に目を覚ました。
ここ最近、ずっと寝ているせいか体中が痛い。
近くには、紫苑が眠っていた。
毎日、私の看病してくれるのは本当にありがたいけど、体を壊してしまわないか心配だった。
だけど、いつもそばにいてくれる2人がいると安心する。
「沙奈。
まだ夜中だから、眠ってていいんだよ。」
見回りにきた、看護師の冨山さん。
「ずっと寝ていたせいか、体が痛くて。」
「どれ。
少し、触るよ。」
冨山さんは、一言添え私の体に優しく触れ凝りをほぐしてくれた。
「沙奈…。今、幸せか?」
冨山さんのお母さんやお父さんに、物心つくまで育てられていた。
私を、妹のように可愛がってくれていた冨山さん。
いつか、冨山さんのお母さんに、
「勇(ゆう)は、人間関係を築くのが苦手なのよ。
本当は、心が綺麗で誰よりも正義感も強い。
あなたを、守りたいと言ったのも家で面倒を見たいって言ったのもあの子なの。
もちろん、私達は勇に言われる前にあなたを救いたいと思っていた。
私達が、その話をする前にあの子から言ったのよ。
話すこと、自分の意思を伝えるのが嫌いなあの子に言われた時は本当に嬉しかったわ。
沙奈。
あの子と、仲良くしてあげてね。」
そう冨山家に来てすぐに言われた。
冨山家を出た時からも、私を気にかけてくれていたんだ…。
「幸せだよ。
紫苑や翔太が優しくしてくれるの。
いつも、支えてくれているの。」
「そうか。
それなら、俺も安心だ。
だけど、沙奈。
何かあったら、いつでも俺のところへ来ていいんだぞ。
血の繋がりがなくても、お前のこと小さい時から俺の妹みたいに思ってる。」
冨山さんは、何か知っているのかもしれない。
私が、過去にあったこと。
私が、父親に捨てられた日の出来事。
だけど、聞く勇気はなかった。
「ありがとう。冨山さん。」
「ゆっくりお休み。
今は、休むことが沙奈の役目だから。」
冨山さんは、最後に私の頭を撫でてから病室の扉をゆっくりと静かに閉めた。
それから私は、朝ごはんの時間までゆっくり眠っていた。
「沙奈…。
沙奈、朝だよ。」
「ん…?
紫苑?」
「おはよう、沙奈。
朝ご飯来たけど、食べられそうか?」
病院食は、いつも量が多かった。
「うん、ちょっと顔だけ洗ってくる。」
「分かった。」
洗面台までは、車椅子を紫苑が押して連れてってくれた。
まだ、歩くまでの体力が残っていないこと。
酸素マスクが外れるまでは、なるべくベッドで安静にしているようにと言われていた。
私は、夜が開ける前に目を覚ました。
ここ最近、ずっと寝ているせいか体中が痛い。
近くには、紫苑が眠っていた。
毎日、私の看病してくれるのは本当にありがたいけど、体を壊してしまわないか心配だった。
だけど、いつもそばにいてくれる2人がいると安心する。
「沙奈。
まだ夜中だから、眠ってていいんだよ。」
見回りにきた、看護師の冨山さん。
「ずっと寝ていたせいか、体が痛くて。」
「どれ。
少し、触るよ。」
冨山さんは、一言添え私の体に優しく触れ凝りをほぐしてくれた。
「沙奈…。今、幸せか?」
冨山さんのお母さんやお父さんに、物心つくまで育てられていた。
私を、妹のように可愛がってくれていた冨山さん。
いつか、冨山さんのお母さんに、
「勇(ゆう)は、人間関係を築くのが苦手なのよ。
本当は、心が綺麗で誰よりも正義感も強い。
あなたを、守りたいと言ったのも家で面倒を見たいって言ったのもあの子なの。
もちろん、私達は勇に言われる前にあなたを救いたいと思っていた。
私達が、その話をする前にあの子から言ったのよ。
話すこと、自分の意思を伝えるのが嫌いなあの子に言われた時は本当に嬉しかったわ。
沙奈。
あの子と、仲良くしてあげてね。」
そう冨山家に来てすぐに言われた。
冨山家を出た時からも、私を気にかけてくれていたんだ…。
「幸せだよ。
紫苑や翔太が優しくしてくれるの。
いつも、支えてくれているの。」
「そうか。
それなら、俺も安心だ。
だけど、沙奈。
何かあったら、いつでも俺のところへ来ていいんだぞ。
血の繋がりがなくても、お前のこと小さい時から俺の妹みたいに思ってる。」
冨山さんは、何か知っているのかもしれない。
私が、過去にあったこと。
私が、父親に捨てられた日の出来事。
だけど、聞く勇気はなかった。
「ありがとう。冨山さん。」
「ゆっくりお休み。
今は、休むことが沙奈の役目だから。」
冨山さんは、最後に私の頭を撫でてから病室の扉をゆっくりと静かに閉めた。
それから私は、朝ごはんの時間までゆっくり眠っていた。
「沙奈…。
沙奈、朝だよ。」
「ん…?
紫苑?」
「おはよう、沙奈。
朝ご飯来たけど、食べられそうか?」
病院食は、いつも量が多かった。
「うん、ちょっと顔だけ洗ってくる。」
「分かった。」
洗面台までは、車椅子を紫苑が押して連れてってくれた。
まだ、歩くまでの体力が残っていないこと。
酸素マスクが外れるまでは、なるべくベッドで安静にしているようにと言われていた。