君の隣にずっといたい
好きな人
by.結桜
「結桜ー!好きな人、誰なの?」
「教えてくれるって言ってたよね?」
15分休み、ジャングルジムの上で、親友の浦郷百花(うらごうももか)と佐藤葉菜(さとうはな)に問い詰められた私、沢田結桜(さわたゆら)は「んー?」と曖昧に首を傾げた。
「んー?じゃなくて、先週言ってたじゃん!好きな人来週教えるから、って!」
そう、先週の昼休み。
百花と葉菜に好きな人を問い詰められたけど、心の準備が出来ていなかった私は、勢いで、
「来週の15分休み、好きな人教えるから!」
と宣言してしまった。
凄く余計なことをした。
でも、約束だから言うしかないよね?
自分でそう勝手に結論付けて、好きな人の名前を口にした。
「七條遥希(しちじょうはるき)」
そしたら、2人は凄く驚いて、
「七條?」
と聞き返してきた。
「うん」
私は照れくさくなって答える。
確かに七條はあまりモテないキャラだ。
教室ではあまり中心に居ないし、勉強とか、運動が特別得意ってわけでもないけど、でも、話してみると、何か惹かれるものがある。
少なくとも、私にとっては、だけどね。
というか、恋バナの中心を私だけに絞るのはズルくない?
そこで、反撃する。
「百花は小林なんでしょ?」
そう言うと、百花はほんのり赤くなった。
「そうそう、いつから好きだったの?」
葉菜もこの話題に乗る。
「4年の最後から……」
百花がブツブツと恥ずかしそうに答えた。
「長いね!」
葉菜が騒ぐ。
こんな会話を繰り広げていると、15分休み終了のチャイムが鳴った。
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