地味で根暗で電信柱な私だけど、あなたを信じていいですか?
 最寄り駅の反対側にあるカラオケボックスが二次会の会場だった。

 隣にあるコインパーキングがビルの建ち並ぶ街にぽっかりと夜の隙間を作っている。出入り口の自動支払機とその傍にあるジュースの自販機がぼんやりと暗闇の中で自己主張していた。

 コインパーキングは満車でどの車も静かに持ち主の帰りを待っている。

 もしかしたら私もあの車たちのように家で佐藤さんの帰りを待つべきだったのかもしれないと小さな後悔がちくりと胸を痛めた。

 でも、やっぱり一人で待つのは嫌だ。
 
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