夢みたもの
ユーリの提案で、人目に付かないように時間差で音楽室を出る事にしてある。
あたしの声が廊下から聞こえる限り、ユーリは動かない筈だけれど、こうして話をしていると、音楽室から出てきてしまうんじゃないかと気が気じゃない。
あたしは出来る限り平静を装って宮藤君に向き直った。
「何もないよ?」
「ふぅん?」
宮藤君は横目であたしを見ると、その視線を音楽室に向けた。
「前も言ったけど・・・、放課後の音楽室は特クラの生徒が使用してるから、邪魔するとうるさいよ?」
「うん。そうだよね?ありがとう」
「でも・・・」視線をあたしに向けた宮藤君は面白そうに笑う。
「特クラの編入生と噂がある雪村さんなら、ここに居てもおかしくない・・・かな?」
「・・・・」
「確か、叶君・・・だったよね?噂の編入生?」
「それは・・・」
あたしは慌てて首を振った。
「違うの、噂は誤解だから!」
「ふぅん?」
宮藤君は楽しそうにあたしを見る。
学校中が今朝の話で持ちきりだった今日、宮藤君の耳に入っていない訳がない。
ユーリと音楽室を関連付けて考えるのは、ごく自然な事だった。
あたしの声が廊下から聞こえる限り、ユーリは動かない筈だけれど、こうして話をしていると、音楽室から出てきてしまうんじゃないかと気が気じゃない。
あたしは出来る限り平静を装って宮藤君に向き直った。
「何もないよ?」
「ふぅん?」
宮藤君は横目であたしを見ると、その視線を音楽室に向けた。
「前も言ったけど・・・、放課後の音楽室は特クラの生徒が使用してるから、邪魔するとうるさいよ?」
「うん。そうだよね?ありがとう」
「でも・・・」視線をあたしに向けた宮藤君は面白そうに笑う。
「特クラの編入生と噂がある雪村さんなら、ここに居てもおかしくない・・・かな?」
「・・・・」
「確か、叶君・・・だったよね?噂の編入生?」
「それは・・・」
あたしは慌てて首を振った。
「違うの、噂は誤解だから!」
「ふぅん?」
宮藤君は楽しそうにあたしを見る。
学校中が今朝の話で持ちきりだった今日、宮藤君の耳に入っていない訳がない。
ユーリと音楽室を関連付けて考えるのは、ごく自然な事だった。