夢みたもの
STRAUB
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翌日の土曜日。
朝からよく晴れたその日、あたしは駅近くにあるカフェのお洒落な黒い扉を押し開けた。
カラン・・・とドアについたベルが高い音を立てる。
その音に反応して、女性店員が笑顔で近付いて来た。
「いらっしゃいませ。お一人ですか?」
「あ、えっと・・・待ち合わせです」
あたしが店内を見回しながらそう答えると、店員は小さくうなずいて「こちらへどうぞ」と店の奥へ歩いていく。
『STRAUB』という名前の落ち着いた雰囲気のカフェは、まだ午前中という事もあってか客はまばら。
店の外観もお洒落だったけれど、数少ない客は年齢層が高く、店内は黒を基調として全体的に高級感が漂う。
カッチリした制服を着こなした店員の対応といい、いつも使うファーストフード店やチェーン店のカフェとは雰囲気が違って、あたしは落ち着き無く周りを見回しながら店員の後に続いた。
『明日の午前、良かったら駅の近くにあるSTRAUBというカフェに来て欲しい』
昨夜、ユーリから届いたメール。
航平が帰った後、すぐにメールを確認したあたしは、特に用事も無かったから、何も考えずに『大丈夫』と返信したけれど、カフェとはいえ、高校生が来るには場違いな店だった。
翌日の土曜日。
朝からよく晴れたその日、あたしは駅近くにあるカフェのお洒落な黒い扉を押し開けた。
カラン・・・とドアについたベルが高い音を立てる。
その音に反応して、女性店員が笑顔で近付いて来た。
「いらっしゃいませ。お一人ですか?」
「あ、えっと・・・待ち合わせです」
あたしが店内を見回しながらそう答えると、店員は小さくうなずいて「こちらへどうぞ」と店の奥へ歩いていく。
『STRAUB』という名前の落ち着いた雰囲気のカフェは、まだ午前中という事もあってか客はまばら。
店の外観もお洒落だったけれど、数少ない客は年齢層が高く、店内は黒を基調として全体的に高級感が漂う。
カッチリした制服を着こなした店員の対応といい、いつも使うファーストフード店やチェーン店のカフェとは雰囲気が違って、あたしは落ち着き無く周りを見回しながら店員の後に続いた。
『明日の午前、良かったら駅の近くにあるSTRAUBというカフェに来て欲しい』
昨夜、ユーリから届いたメール。
航平が帰った後、すぐにメールを確認したあたしは、特に用事も無かったから、何も考えずに『大丈夫』と返信したけれど、カフェとはいえ、高校生が来るには場違いな店だった。