夢みたもの
「ごめん‥‥調子に乗った」
「‥え?」
指が離れた処から、寂しさが広がる。
航平の醸し出す雰囲気に戸惑っていると、航平は肩をすくめて苦笑した。
「今、ひなこに何かするのはフェアじゃないよ」
「‥‥」
「何が?」‥なんて、聞かなくても分かる。
ベットで眠り続けるユーリを思うと、航平の一挙一動に動揺する自分こそ、酷い事をしていると思う。
「‥‥ごめんね‥」
「何でひなこが謝るの?」
「謝る必要なんてない」そう付け加えると、航平は小さく笑った。
『ごめんね』
口をついて出たその言葉は、誰に対してのものなのか、自分でも分からなかった。
怪我をさせたユーリ
気を使わせてしまっている航平
それとも
気持ちを誤魔化し続けてる、自分自身に対してなのか‥‥
「あたし‥」
「うん?」
葵のノートをパラパラと捲っていた航平が顔を上げた。
「なに?どうした?」
「‥‥」
焦げ茶色の柔らかそうな癖っ毛が目の前で揺れる。
その髪に少し隠れるようにして、くっきり二重の瞳が優しくあたしに向けられている。
その瞳は、昔から変わることなくあたしに向けられていた。
きっとこれからも‥‥
これからもずっと、あたしに向けられるこの瞳が変わる事はないと思う。
信じたい。
‥‥信じられる。
今、胸の奥にあるこの気持ち。
ずっと、気付かないフリしてたこの気持ち。
あたしは
そう
あたしは、航平の事が好き。
「‥え?」
指が離れた処から、寂しさが広がる。
航平の醸し出す雰囲気に戸惑っていると、航平は肩をすくめて苦笑した。
「今、ひなこに何かするのはフェアじゃないよ」
「‥‥」
「何が?」‥なんて、聞かなくても分かる。
ベットで眠り続けるユーリを思うと、航平の一挙一動に動揺する自分こそ、酷い事をしていると思う。
「‥‥ごめんね‥」
「何でひなこが謝るの?」
「謝る必要なんてない」そう付け加えると、航平は小さく笑った。
『ごめんね』
口をついて出たその言葉は、誰に対してのものなのか、自分でも分からなかった。
怪我をさせたユーリ
気を使わせてしまっている航平
それとも
気持ちを誤魔化し続けてる、自分自身に対してなのか‥‥
「あたし‥」
「うん?」
葵のノートをパラパラと捲っていた航平が顔を上げた。
「なに?どうした?」
「‥‥」
焦げ茶色の柔らかそうな癖っ毛が目の前で揺れる。
その髪に少し隠れるようにして、くっきり二重の瞳が優しくあたしに向けられている。
その瞳は、昔から変わることなくあたしに向けられていた。
きっとこれからも‥‥
これからもずっと、あたしに向けられるこの瞳が変わる事はないと思う。
信じたい。
‥‥信じられる。
今、胸の奥にあるこの気持ち。
ずっと、気付かないフリしてたこの気持ち。
あたしは
そう
あたしは、航平の事が好き。