夢みたもの
「‥‥ユーリ‥?」
あたしは茫然と呟いた。
「‥え、‥今?」
「やっと‥、ひなこの名前を呼べた」
少し頬を染めたユーリが小さく笑う。
優しくて深い。
包み込むように落ち着いたバリトンの声色。
これがユーリの声‥‥
やっと
やっと‥‥ちゃんと聞けた。
「‥ズルイよ」
再びあふれ出る涙。
嬉しい‥‥本当に嬉しくて堪らない。
ユーリの意識が戻って、声までも取り戻せた。
皆の願いが叶ったそれは、奇跡としか思えない。
あふれる涙をこぼしながら、あたしはユーリに笑いかけた。
「こんなの‥‥反則だよ‥」
「ごめん。でも‥ひなこの名前を最初に口にするって‥‥そう決めてたから」
そう言って、またあたしの涙を拭ったユーリは、何度も確かめるようにあたしの頬を指でなぞる。
「‥‥無事で良かった」
真っ直ぐ向けられた視線。
その視線は、あたしを通り越して遠くを見つめているようだった。
「ユーリ‥?」
「今度こそ‥‥絶対守りたかったから」
「‥え?」
一瞬理解出来なくて、あたしはまばたきをした。
でも、次の瞬間には、ユーリの瞳はあたしを映して微笑んでいる。
「ひなこと‥、またこうして居られるなんて夢みたいだ」
「夢じゃないよ。ずっとずっと‥‥待ってたんだから」
「うん‥そうだね」
ユーリはそう呟いて、嬉しそうに笑った。
あたしは茫然と呟いた。
「‥え、‥今?」
「やっと‥、ひなこの名前を呼べた」
少し頬を染めたユーリが小さく笑う。
優しくて深い。
包み込むように落ち着いたバリトンの声色。
これがユーリの声‥‥
やっと
やっと‥‥ちゃんと聞けた。
「‥ズルイよ」
再びあふれ出る涙。
嬉しい‥‥本当に嬉しくて堪らない。
ユーリの意識が戻って、声までも取り戻せた。
皆の願いが叶ったそれは、奇跡としか思えない。
あふれる涙をこぼしながら、あたしはユーリに笑いかけた。
「こんなの‥‥反則だよ‥」
「ごめん。でも‥ひなこの名前を最初に口にするって‥‥そう決めてたから」
そう言って、またあたしの涙を拭ったユーリは、何度も確かめるようにあたしの頬を指でなぞる。
「‥‥無事で良かった」
真っ直ぐ向けられた視線。
その視線は、あたしを通り越して遠くを見つめているようだった。
「ユーリ‥?」
「今度こそ‥‥絶対守りたかったから」
「‥え?」
一瞬理解出来なくて、あたしはまばたきをした。
でも、次の瞬間には、ユーリの瞳はあたしを映して微笑んでいる。
「ひなこと‥、またこうして居られるなんて夢みたいだ」
「夢じゃないよ。ずっとずっと‥‥待ってたんだから」
「うん‥そうだね」
ユーリはそう呟いて、嬉しそうに笑った。