夢みたもの
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「へぇ?音楽室のピアノねぇ。全然気付かなかったなぁ・・・」
「そうなんだ」
20時。
いつものように、あたしと航平の課外授業が始まる。
夜風が冷たくなってきたので、数日前から出窓越しではなくて、あたしの部屋が勉強場所。
航平は出窓を伝ってあたしの部屋にやってくる。
「ひなこの部屋って、昔からあんまり変わらないよね」
用意したカフェオレを口に運びながら、航平はあたしの部屋をぐるりと見回した。
「綺麗に整頓されてる」
「そういえば、航平の部屋には、もうずっと行ってない気がするんだけど」
「そうだっけ?」
小学校の頃は、お互いの部屋を行き来していたけれど、中学に入った辺りから、航平はあたしの部屋には来るくせに、自分の部屋には入れてくれなくなった。
「今度、航平の部屋に行っても良い?」
「ひなこの部屋の方が綺麗だし、勉強しやすいよ」
「だって、いっつもあたしの部屋なんだもん。ね、明日は航平の部屋にしよ?」
「それは駄目」
ニッコリ笑ってそう言うと、航平は英語のノートを開いてシャープペンを手にした。
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「へぇ?音楽室のピアノねぇ。全然気付かなかったなぁ・・・」
「そうなんだ」
20時。
いつものように、あたしと航平の課外授業が始まる。
夜風が冷たくなってきたので、数日前から出窓越しではなくて、あたしの部屋が勉強場所。
航平は出窓を伝ってあたしの部屋にやってくる。
「ひなこの部屋って、昔からあんまり変わらないよね」
用意したカフェオレを口に運びながら、航平はあたしの部屋をぐるりと見回した。
「綺麗に整頓されてる」
「そういえば、航平の部屋には、もうずっと行ってない気がするんだけど」
「そうだっけ?」
小学校の頃は、お互いの部屋を行き来していたけれど、中学に入った辺りから、航平はあたしの部屋には来るくせに、自分の部屋には入れてくれなくなった。
「今度、航平の部屋に行っても良い?」
「ひなこの部屋の方が綺麗だし、勉強しやすいよ」
「だって、いっつもあたしの部屋なんだもん。ね、明日は航平の部屋にしよ?」
「それは駄目」
ニッコリ笑ってそう言うと、航平は英語のノートを開いてシャープペンを手にした。