夢みたもの
それぞれの過去
編入生の秘密
━・┼・━・┼・━・┼・━・┼・━
・━・┼・━・┼・━・┼・━・┼・━
「だから、ごめんね?」
20時。
いつものようにあたしの部屋にやってきた航平は、すこぶる不機嫌だった。
音楽室で例の彼に出会ったあたしは、気が動転して一人で家に帰ってきた。
おかげで後から帰ってきた航平は、あたしの部屋に来るなり、学校中探したと愚痴を言っている。
「だから・・・急用があったの」
「なんの?」
「それは・・・」
まさか、校内で外国人に出会って逃げ出したなんて、恥ずかしくて言えなかった。
それに、冷静になってみると・・・きっと彼が噂の編入生。
ハーフだという噂だけれど、確かに鞠子の言う通り、日本人には見えなかった。
「携帯にも出ないしさぁ?」
世界史のノートを書き写しながら、航平はさらに愚痴を続ける。
「一之瀬さんが帰ったって教えてくれるまで、気が気じゃなかったよ」
「だから、ごめんってば!」
あたしはそう言うと、マグカップに入ったカフェオレを勢いよく飲み干して航平に向き直った。
「でも、携帯鳴らなかったよ!?気付かなかったもん!」
「だから『気付かなかった』んでしょ?」
航平は、チラリとあたしを見てそう言った。
・━・┼・━・┼・━・┼・━・┼・━
「だから、ごめんね?」
20時。
いつものようにあたしの部屋にやってきた航平は、すこぶる不機嫌だった。
音楽室で例の彼に出会ったあたしは、気が動転して一人で家に帰ってきた。
おかげで後から帰ってきた航平は、あたしの部屋に来るなり、学校中探したと愚痴を言っている。
「だから・・・急用があったの」
「なんの?」
「それは・・・」
まさか、校内で外国人に出会って逃げ出したなんて、恥ずかしくて言えなかった。
それに、冷静になってみると・・・きっと彼が噂の編入生。
ハーフだという噂だけれど、確かに鞠子の言う通り、日本人には見えなかった。
「携帯にも出ないしさぁ?」
世界史のノートを書き写しながら、航平はさらに愚痴を続ける。
「一之瀬さんが帰ったって教えてくれるまで、気が気じゃなかったよ」
「だから、ごめんってば!」
あたしはそう言うと、マグカップに入ったカフェオレを勢いよく飲み干して航平に向き直った。
「でも、携帯鳴らなかったよ!?気付かなかったもん!」
「だから『気付かなかった』んでしょ?」
航平は、チラリとあたしを見てそう言った。