26歳、婚活したら恋しました
元彼①
彼との初デートの2週間後、
行宗とトリックアート展に行く約束をしていた。
朝から仕事の用事で出なければいけないそうで、
少し早く着くからカフェで時間潰している予定だった。
しかし当日の朝、
『今用事終わったから家行っていい?』
そうLINEが来たのだった。
まだ用意もほぼしていなかったので、
『いいよ』と返信をした。
そして45分後、朝マックを手に行宗がやって来た。
朝マックを食べながら、付き合っていた頃に
一緒に見ようと録画していたIPPONグランプリを見た。
少し見るには長い番組だったので、
ごはんを食べ終わりベッドに横になった。
「もうそれ外出ないやつじゃん」
「出る出る!ちょっとだけ」
これは付き合っている時から変わらないやり取り。
いつもベッドで横になるとすぐ寝てしまうので
行宗はわたしをベッドに寝かせたくない。
しばらくして、わたしはいつも通り寝てしまった。
そして30分程でして起きると、
「やっぱりな」
呆れた顔をした行宗がいた。
そのままベッドのわたしの後ろ側に入ってくる。
そして後ろから抱きしめられた。
胸が締め付けられる思いだった。
彼が好き、
でも実らないかもしれない。
行宗も好き、
でも昔ほどではない。
そんな考えが堂々巡りしながら
されるがままに抱きしめられていた。