孤独なヒロイン
「はぁはぁはぁはぁ、莉沙。何で先にホテル戻ってんだよ…」
寛太がきた。
走ってきたのかかなり息が上がってる。
でも
「ちゃんと言ったよ。気分悪いからって。でも寛太、乃亜さんと楽しそうに話してて全然きいてなかった。怒らないでよ…悪いのはわたしなの?」
「いや、悪いとかじゃなくて…って怒鳴ってごめん」
気まずそうな顔をした。
「いいよ、もう。今までありがとう。男はみんな一緒だった。高橋くんは乃亜さんのこと大切にしてね。バイバイ」
もう名前を呼ばない。
呼んだら好きが溢れるから。
顔を見たら泣いちゃうから。
すぐにゆのちゃんの車に乗った。