地味OLの憂鬱 2~地味OLは新人後輩男子をたぶらかす?!
*
「あーーぁ、優しい彼氏が欲しいようーー!!」
ベロベロになった萌を抱きかかえるように歩く涼。
「私ってば、こんなに可愛いのにどうして彼氏がいないの?」
「それ、自分で言う?」
涼はクスクスと笑いながら苦笑いを浮かべた。
「私……可愛くない?」
萌が大きな瞳に涙を浮かべ涼を見つめた。その瞬間、涼の体から熱い感情の波があふれ出し、何も考えられなくなると、萌の唇をふさいでいた。
「可愛いよ……萌」
*
思い出した。
そうだった……。
何もしゃべらず、固まっている萌に涼がこれでもかと、キスを落としていく。
「もしかして、思い出した?」
チュッと唇にキスをしながら問う涼。
「それで、どうする?」
どうするとは……?
「萌が嫌なら離れるけど?」
私は……。
いつも隣にいた人。
喧嘩仲間仲間だと思っていた人。
いないと寂しい人。
山口が好きでもない人とこういうことをすると思った時、胸が締め付けられた。
その理由は……。
私はこの人が好きなんだ。
萌は、涼の首にしがみついていた。
「……っき……」
「ん?……」
「好き……私は山口が好きなの」
「うん。知ってるよ」
余裕の笑みを見せる涼の顔に萌は軽く両手で平手打ちをした。
何なのこの余裕の顔は……。
すると……。
「だって昨日、俺にしがみつきながら何度も甘えた声で好きだって言ってたし」
なっ……なにーーーー!!!!
文句を言おうと口を開こうとした時、また涼にキスで口を塞がれてしまう。
「いいから、お前は黙って俺に溺れろ」
いやーー!!
誰よこれ!!
甘い、甘いよーーーー!!!!
二人の恋は始まったばかり。
fin