おうちかいだん
お風呂から上がって、またあの廊下を歩くのかと思うと、怖くてたまらない。
なのに、どうして私はお風呂に入らなきゃならないと思ったのだろう。
脱衣所のドアを開けると、おじいちゃんの声が聞こえた。
「そうかいそうかい。大丈夫じゃよ。怖いものなんておりゃあせんからな。怖がりじゃのう、ミサちゃんは。おじいちゃんがいるから安心したらええぞ」
誰かに語りかけるように、いつも通りの優しい声をかけているけれど……一体誰と話しているの?
そっと、声が聞こえる廊下の方を見てみると。
ニコニコしながらおじいちゃんが、鏡に向かって話しかけていたのだ。
その瞬間、ゾワッと背筋を撫でるような悪寒が走った。
意味がわからない。
どうしておじいちゃんは私の名前を鏡に向かって?
滑舌が悪くて「リサ」を「ミサ」と言ってしまうおじいちゃん。
見たくない。
見たくはないけど、おじいちゃんが話している人ってもしかして……。
お風呂から上がったばかりなのに、全身の鳥肌が凄い。
口の中がカラカラに渇いて、唾を飲み込むこともできないくらいに。
カミソリの刃で切り刻まれるかのような緊張感の中で鏡に目を向けたら……。
それはいた。
なのに、どうして私はお風呂に入らなきゃならないと思ったのだろう。
脱衣所のドアを開けると、おじいちゃんの声が聞こえた。
「そうかいそうかい。大丈夫じゃよ。怖いものなんておりゃあせんからな。怖がりじゃのう、ミサちゃんは。おじいちゃんがいるから安心したらええぞ」
誰かに語りかけるように、いつも通りの優しい声をかけているけれど……一体誰と話しているの?
そっと、声が聞こえる廊下の方を見てみると。
ニコニコしながらおじいちゃんが、鏡に向かって話しかけていたのだ。
その瞬間、ゾワッと背筋を撫でるような悪寒が走った。
意味がわからない。
どうしておじいちゃんは私の名前を鏡に向かって?
滑舌が悪くて「リサ」を「ミサ」と言ってしまうおじいちゃん。
見たくない。
見たくはないけど、おじいちゃんが話している人ってもしかして……。
お風呂から上がったばかりなのに、全身の鳥肌が凄い。
口の中がカラカラに渇いて、唾を飲み込むこともできないくらいに。
カミソリの刃で切り刻まれるかのような緊張感の中で鏡に目を向けたら……。
それはいた。