おうちかいだん
鏡に映っているのは後頭部、後ろ姿だからまだ私には気付いていないのだろうか。


それでも、手足の震えが止まらないくらい恐ろしい。


どうしてこんなにも毎日毎日、気味の悪い女の子が鏡に映るの!?


これじゃあ、怖くて部屋から出られくなってしまうよ!


「大丈夫、大丈夫じゃよミサちゃん。怖がらんでも大丈夫じゃ。おじいちゃんがいるからの」


ブツブツと話し続けるおじいちゃんに不気味な物を感じながらも、今はおじいちゃんを頼るしか方法がない!


そう思った私は、意を決して廊下に飛び出した。


「おじいちゃん! お願い! 私の部屋まで一緒に……」


手を伸ばしておじいちゃんに触れようとしたけれど、その手はおじいちゃんの身体をすり抜けて、何にも触れることがなく、空を切ったのだ。


「大丈夫、大丈夫じゃよ。幽霊なんておらんから……のう?」


何がなんだかわからずに、ゆっくりと振り返ってみると……ニタリと笑うおじいちゃんと、鏡に映る不気味な女の子がジッと私を見ていた。


何がなんだか……わからない。


私を襲う恐怖と絶望に打ちひしがれる私に……さらに追い打ちをかけるかのようにそれはやって来た。
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