おうちかいだん
「あら、どうしたのリサ。私が帰って来たのに、嬉しそうじゃないわね? そんなにお漏らしがショックだったの?」
そう、おかしいなと思っていたんだよ。
私がお漏らしをした時、不気味な女の人もお漏らしをした。
それは鏡に映っている、一応「私」の姿だから真似をしているのかと思ったけど……何か違う。
「ねえ、ミサ。私がお漏らしをしたのに、どうしてミサはお漏らしをしてないの?」
そう尋ねると、ミサの眉毛がピクリと動いたような気がした。
でもすぐに微笑んで。
「もしかして、自分だけお漏らしをしたのに、私がしてないのを不満に思ってるの? ふふふ。いやらしい子。そんなに私のお漏らしが見たいなら、見せてあげるわよ?」
スカートの裾を掴んでゆっくりと上げて、黒いパンツを私に見せ付けたのだ。
だけど、それではっきりとわかった。
「ねぇ……ミサは一体誰なの? 手の大きさも違うし、私はそんなパンツ持ってない」
私がそう言った次の瞬間、微笑んだままミサはスカートから手を離して。
鏡から手を出して私の腕を掴むと、ギロリと私を睨み付けたのだ。