おうちかいだん
と、思った次の瞬間。


頭から、バキッという音が聞こえて……私の頭部は砕け、眼球が圧力で飛び出してそのまま床に倒れた。


ビクビクと身体が痙攣して、ただ死ぬのを待つだけになっていたのを感じながら、聞こえる声を聞いていた。


「おお、ワシの可愛いミサちゃん。大丈夫か? お前に化けた魔女はワシが殺してやったから安心して出ておいで」


「な、何をしているのよ! このクソジジイ! リサが死んでしまったら、私はどうやって入れ替わるのよ! リサがいなければ私は消えてしまうのよ!」







お……じいちゃん?


まさかおじいちゃんが私を……。


きっと、今までミサ、ミサと呼んでいたのは、私とミサの区別がつかなかったからなのかな。


それで、ミサと私がいて……ミサを助けるために私を殺した。


ああ……つまり私は、リサとして見られてなかったんだ。


でもどういうことなの。


おじいちゃんは私をミサだと思って、頬ずりしたり頬を舐めたりしたということは……。


お母さんとそういう関係だったということ?


わからない。


何もわからないけど……飛び出した眼球が、三面鏡を見ていて。


私の命と同じように、消えるミサの姿を見ていた。


私は……この時に死んだんだ。





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