おうちかいだん
自分の顔を思い出せなくなるくらいメイクをして、その偽りの顔があたかも自分自身であるように振る舞っているなんて。
それなら、元の自分はどんな顔だっていいってことだよね。
「思い出せないのね? じゃあ、私が思い出させてあげる。メイク落としを借りるよ」
言うより早くメイク落としシートを取り出して、米津さんの顔をそれで拭き取った。
「ちょ、ちょっと! いきなり何してるのよ信じらんない!」
目の辺りを拭いてみたけれど、米津さんは私の手を振り払って手を目に当てている。
「何って……元の顔を見ようと思って。ほら、見て? 目が落ちたよ」
そんな米津さんに、メイク落としシートを見せると……驚いたようにもう片方の目でそれを見たのだ。
メイク落としシートには、米津さんの目がパチクリと瞬きをしていて、何が起こったか分からない様子。
「え、え、な、何これ……何これ!? なんで私の目が!」
慌てて目から手を離し、メイク落としシートを掴んだ米津さんの顔は……。
メイクと一緒に目も落ちて、そこには眼球が無くなった空洞があるだけになっていた。
眉毛もまつ毛も……全て落とされて。
それなら、元の自分はどんな顔だっていいってことだよね。
「思い出せないのね? じゃあ、私が思い出させてあげる。メイク落としを借りるよ」
言うより早くメイク落としシートを取り出して、米津さんの顔をそれで拭き取った。
「ちょ、ちょっと! いきなり何してるのよ信じらんない!」
目の辺りを拭いてみたけれど、米津さんは私の手を振り払って手を目に当てている。
「何って……元の顔を見ようと思って。ほら、見て? 目が落ちたよ」
そんな米津さんに、メイク落としシートを見せると……驚いたようにもう片方の目でそれを見たのだ。
メイク落としシートには、米津さんの目がパチクリと瞬きをしていて、何が起こったか分からない様子。
「え、え、な、何これ……何これ!? なんで私の目が!」
慌てて目から手を離し、メイク落としシートを掴んだ米津さんの顔は……。
メイクと一緒に目も落ちて、そこには眼球が無くなった空洞があるだけになっていた。
眉毛もまつ毛も……全て落とされて。