おうちかいだん
一歩……身体中を針で刺されているような強烈な痛みを伴う悪寒の中を進む。
進みたくない。
浴室のドアに辿り着くまでに、全身の皮膚が削げ落ちてしまいそうなほどの恐ろしい空気を感じる。
「その御札はのう、成仏できない幽霊のために貼ってあったんじゃ」
そんな中で、おじいちゃんの声が聞こえた。
居間から出てきたのか、こちらに向かって歩いて来ているのが足音でわかる。
「その幽霊は、この廊下を動き回ることしかできん可哀想な幽霊じゃ。ミサちゃん、そっとしておいてやってくれんか? なに、悪さはせんよ。きっとな」
おじいちゃんは私には話していない。
きっと、鏡に映る女の子、ミサちゃんに話しているのだろう。
だとしても、成仏できない幽霊の為に?
意味がわからない。
どうせ私に話しているわけでもないし、私はお風呂場に行かなきゃならないんだから。
ドアに近付くにつれ、心臓の動きが速くなる。
ドクンドクンと全身を震わせて、身体の中から「開けてはいけない」という恐怖が湧き出してきているようだ。
怖くて、不安で、頭がどうにかなってしまいそうな中で……私はドアノブを掴んでドアを開けた。
進みたくない。
浴室のドアに辿り着くまでに、全身の皮膚が削げ落ちてしまいそうなほどの恐ろしい空気を感じる。
「その御札はのう、成仏できない幽霊のために貼ってあったんじゃ」
そんな中で、おじいちゃんの声が聞こえた。
居間から出てきたのか、こちらに向かって歩いて来ているのが足音でわかる。
「その幽霊は、この廊下を動き回ることしかできん可哀想な幽霊じゃ。ミサちゃん、そっとしておいてやってくれんか? なに、悪さはせんよ。きっとな」
おじいちゃんは私には話していない。
きっと、鏡に映る女の子、ミサちゃんに話しているのだろう。
だとしても、成仏できない幽霊の為に?
意味がわからない。
どうせ私に話しているわけでもないし、私はお風呂場に行かなきゃならないんだから。
ドアに近付くにつれ、心臓の動きが速くなる。
ドクンドクンと全身を震わせて、身体の中から「開けてはいけない」という恐怖が湧き出してきているようだ。
怖くて、不安で、頭がどうにかなってしまいそうな中で……私はドアノブを掴んでドアを開けた。