おうちかいだん
台所の悪意
今日もまた、放課後がやってきた。
ゆらりゆらりと山に沈みそうな太陽を、心地の良い風が吹く屋上で目を細めて見ている。
やっぱり教室の中で見る夕日とは違って、光そのものに力強さを感じるよ。
空は赤く染まり始めて、今から夜が訪れるんだと皆に告げる。
それは、生きている者も死んでいる者も関係なく、平等にだ。
「……あれ? やっぱり藤井さんだ。なんでこんな時間にこんなとこにいるの?」
柵にもたれてぼんやりと空を見ていたら、屋上の入口の方から私を呼ぶ声が聞こえた。
目だけをそちらに向けて、誰が来たのかを確認すると……そこにいたのは同じクラスの松田美菜実。
口に棒付きの飴をくわえて、ニコニコしながら私に近付いてきた。
「私は……ここに来なきゃならなかったから。松田さんこそ、どうしてこんな時間にこんなとこに来たの?」
私がそう尋ねると、松田さんは苦笑して私の隣で同じように空を見上げた。
「友達と待ち合わせしててさ。ほら、今日委員会活動があって遅くなったからさ。それで、教室に向かってたら屋上に歩いて行く藤井さんが見えたから、追い掛けてみたってわけ」
ゆらりゆらりと山に沈みそうな太陽を、心地の良い風が吹く屋上で目を細めて見ている。
やっぱり教室の中で見る夕日とは違って、光そのものに力強さを感じるよ。
空は赤く染まり始めて、今から夜が訪れるんだと皆に告げる。
それは、生きている者も死んでいる者も関係なく、平等にだ。
「……あれ? やっぱり藤井さんだ。なんでこんな時間にこんなとこにいるの?」
柵にもたれてぼんやりと空を見ていたら、屋上の入口の方から私を呼ぶ声が聞こえた。
目だけをそちらに向けて、誰が来たのかを確認すると……そこにいたのは同じクラスの松田美菜実。
口に棒付きの飴をくわえて、ニコニコしながら私に近付いてきた。
「私は……ここに来なきゃならなかったから。松田さんこそ、どうしてこんな時間にこんなとこに来たの?」
私がそう尋ねると、松田さんは苦笑して私の隣で同じように空を見上げた。
「友達と待ち合わせしててさ。ほら、今日委員会活動があって遅くなったからさ。それで、教室に向かってたら屋上に歩いて行く藤井さんが見えたから、追い掛けてみたってわけ」