おうちかいだん
私を追い掛けて来るなんて、松田さんもおかしな人なんだな。
友達を待たせているのに、それを放ったらかしにしてここにいるのだから。
「友達はいいの? 松田さんが帰ってくるのを待ってるんじゃないの?」
「ははっ。まあそうなんだけどさ。でも藤井さんと話す機会もなかなかないし、少しくらい良いかなって。ダメ?」
そう言って、私の肩にそっと手を当てた松田さん。
肩から腕へと、滑るように指が撫でて行く。
軽いスキンシップだと思いたかったけれど、どうも松田さんの表情から、何かを期待しているような雰囲気を感じ取れてしまって。
もしかしたらそういうことかなと、私は愛想笑いを返した。
「藤井さんって、本当に綺麗な髪をしてるよね。サラサラでツヤツヤで、毎日お手入れも大変なんじゃない?」
今度は顔を近付け、私の髪の毛に触れてうっとりとした表情。
褒められるのは嬉しいけれど、馴れ馴れしく髪に触らないでほしい。
私は人に髪を触られるのが苦手だから、松田さんのこの行動は少し嫌悪感を覚えた。
「ごめん、松田さん。髪の毛には触らないで。昔から嫌いなの、髪の毛に触られるのが」
友達を待たせているのに、それを放ったらかしにしてここにいるのだから。
「友達はいいの? 松田さんが帰ってくるのを待ってるんじゃないの?」
「ははっ。まあそうなんだけどさ。でも藤井さんと話す機会もなかなかないし、少しくらい良いかなって。ダメ?」
そう言って、私の肩にそっと手を当てた松田さん。
肩から腕へと、滑るように指が撫でて行く。
軽いスキンシップだと思いたかったけれど、どうも松田さんの表情から、何かを期待しているような雰囲気を感じ取れてしまって。
もしかしたらそういうことかなと、私は愛想笑いを返した。
「藤井さんって、本当に綺麗な髪をしてるよね。サラサラでツヤツヤで、毎日お手入れも大変なんじゃない?」
今度は顔を近付け、私の髪の毛に触れてうっとりとした表情。
褒められるのは嬉しいけれど、馴れ馴れしく髪に触らないでほしい。
私は人に髪を触られるのが苦手だから、松田さんのこの行動は少し嫌悪感を覚えた。
「ごめん、松田さん。髪の毛には触らないで。昔から嫌いなの、髪の毛に触られるのが」