おうちかいだん
うちのお母さんとおばあちゃんは仲が悪い。
おばあちゃんはいつも台所にいて、炊事をしているイメージがある。
学校から帰ってきて、ランドセルを置いて宿題を済ませると、私は台所に行ってイスに座っておばあちゃんと話をする。
「ねえ、おばあちゃん。どうしてお母さんと仲が悪いの?」
小学五年生の私は、大体の意味は理解していたものの、詳しく理由を知らなかったからそう尋ねた。
「さあねぇ。おばあちゃんがここにいるのが気に入らないのかねぇ」
お母さんの、おばあちゃんに対する嫌がらせは凄いと思う。
夕食をお母さんが作るのだけど、いつもおばあちゃんの分は作らない。
だからおばあちゃんは自分の食事を作らなければならなくて。
しかも調理中もお母さんとおばあちゃんは一言も言葉を交わさない。
それどころかお母さんはおばあちゃんを無視して我が物顔で夕飯を作るものだから、おばあちゃんはお母さんの顔色を窺って、邪魔にならないように隅へ隅へと移動するのだ。
「私はおばあちゃん大好きなのになあ。お母さんはすぐに怒るし恐いから嫌い!」
大好きなおばあちゃんに冷たく当たるからというのもあるかもしれないけど、そうじゃなくてもお母さんはヒステリックに怒るから嫌いだった。