七色の魔法使い#4~月は風の手を借りて~
アイビーの言葉に、僕らはそれぞれ武器を構えた。



妖魔を倒し終えた僕はアイビーと向き合って、さっきの出来事を話す。

「……なるほど……僕が使ってるあの魔法、上級者向けの魔法なのですが……その魔法を、見様見真似で成功させるとは……すごいです」

アイビーは、そう言って微笑んだ。

「あ、ありがと……」

「……僕は、今から依頼があるので行ってきますね」

そう言ってアイビーは僕らに背を向けると、空高く飛び上がる。アイビーの姿が見えなくなるまでアイビーを見つめていたら、誰かに肩を叩かれた。

「……楓、冬くん。館に向かおう」

紫月の言葉に、僕と楓は頷くと館のある方向に向かって歩き出す。

「うわっ!」

後ろから紫月の声がした後、誰かが倒れる音がしたから僕は後ろを向いた。

「……紫月、大丈夫……?」

地面に手を付いた状態で倒れてる紫月に、楓は近付いた。

「……ごめん……躓いちゃって……」

立ち上がりながら、紫月はそう呟く。そして、何かを考え込んだ。

「……もういいか。皆に話したいことがあるんだ……」

紫月は悲しそうに微笑むと、館のある方向に向かって歩き出す。

僕と楓は、紫月の後を追いかけた。
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