七色の魔法使い#4~月は風の手を借りて~
「……確かに、久しぶりだね」

そういや、お互い学校があったり、依頼やリクエストがあったり、妖魔を倒してたりしてて最近遊んでないんだよね。

「夏休み、また遊ぼうよ」

僕から離れながら、輝一は笑う。僕も「遊ぼうね」と笑った。

「……ねぇ、祭り会場ってどこ?」

紫月の問いかけに、僕は「こっちだよ」と歩き始めた。



広場に着くと、1人の女性が困った顔で辺りを見渡しているのが見えて、僕らは声をかけた。

「どうされました?」

「……実は、これから始まるダンスのメンバーを探しているんですけど……実は、急に2人が休んでしまって……」

ダンス、と言葉を聞いた途端、紫月と楓は顔を見合わせる。

「……何の曲を踊るんですか?」

楓の問いかけに、女性は「この曲です」と音楽を流した。

「この曲、踊ったことある……紫月、良いよね?」

楓は、じっと紫月を見つめる。紫月は、不安そうな顔で楓を見つめていた。

「……大丈夫。紫月は、自分で思うよりも下手じゃないから」

「……うん……分かったよ」

……一体、何の話をしてるんだろ?

楓は紫月に微笑むと、女性の方を見る。

「私たちが、代わりに踊ります」

女性は、楓の言葉に嬉しそうに笑った。その時、「すみません!遅れました!」と誰かの声がする。
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