エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
「お前の気持ちはわかった。しかし言っておくが、俺はあまり行儀のいい食べ方をする方じゃないぞ。それでも後悔しないな?」
時成さんが私の顎を掴んで上を向かせ、私の覚悟を見極めようとしているかのように、鋭い視線で瞳を覗く。
「はい。時成さんになら、どんなに食べ散らかされても大丈夫です」
「……言ったな?」
口の端をつり上げて意地悪な微笑みを浮かべた彼は、私の顎から手を離すと、不意に身を屈め、背中と膝裏に手を入れて私を抱き上げた。
お姫様抱っこでベッドまで運ばれ、そっと仰向けで寝かされる。
四つん這いで覆いかぶさってきた彼は、前髪の隙間からちらちらと欲情を孕んだ瞳を覗かせる。視線で犯されているような感覚に、全身の皮膚が熱く火照っていった。
「うまそう」
彼は楽しげに呟くなり、まずは唇に軽いキスを唇に落とした。
けれど軽かったのは最初だけ。二度、三度と繰り返すうちに、荒くなっていく吐息や唾液が舌の上で弾ける音が否応なく聞こえるほどの、激しい口づけに変化していく。