エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
「きゃっ……。ちょっと、やめてください」
真っ赤になった花純が、ようやく振り返って俺を睨みつける。
「お前が俺を放置するからだろ。先に煽ったはそっちのくせに」
「煽ったっていつ……ねえ、ダメ……ん」
耳に舌を差し入れ、聴覚を濡れた音で支配する。その間に片手で彼女のパジャマのボタンを外し、もう一方の手で腰の輪郭をなぞるように撫でた。
「どうしたんですか? 急に」
甘い吐息をこぼしながら、花純が尋ねてくる。俺は彼女を後ろから抱きしめたまま、いったん手の動きを止めて口を開く。
「笑うなよ?」
「なにをです?」
「……俺はどうやら、花火に嫉妬しているらしい」
ボソッと告白すると、花純はキョトンと目を丸くした。けれどすぐにこらえきれなくなったように吹き出して、おかしそうに言う。