エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
「あははっ。なんですかそれ。時成さん、かわいすぎます」
「笑うなと言ったのに笑ったな?」
「だって、人ですらないものに嫉妬するなんて」
「うるさい。約束を破ったヤツは――」
言いかけながら、俺はひょい、と花純の体を抱き上げて肩に担いだ。
「ちょっと、時成さん!?」
じたばたする花純をソファまで連れて行き、ドサッと乱暴に置く。
先ほどボタンをはずしたパジャマが少しめくれて、ちらりと胸のふくらみが覗いた。どうぞ食べてくださいと、俺を誘っているかのようだ。
俺は目を細めてその妖艶な体を眺め、小さく舌なめずりをする。そして、ガバッと彼女に覆いかぶさり至近距離で囁いた。
「ひと晩中、俺に食い尽くされるの刑」
「えっ? 嘘っ。ちょっと待っ――」
待つか、馬鹿。こんなうまそうな体を前に。
心の中でひとりごち、まずはオードブルだと言わんばかりに、俺は彼女の赤い唇に吸い付いた。