エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う

「悲鳴続々、なんて本当なんですかね」
「だと思うぞ。コメント欄がわりと荒れている。……主に、俺への罵詈雑言でな」

 苦笑した彼が画面をスクロールさせると、コメント欄には思わず眉を顰めたくなるような汚い言葉が並んでいる。

 私は思わずスマホを時成さんの方に突き返し、口を尖らせた。

「自分の大切な人をこんなふうに言われるの、すごく嫌です。もうあまり見ない方がいいですよ。時成さんだって傷つくでしょう?」
「俺が? まさか」

 彼はフンと鼻で笑って、冷たい目でスマホを見下ろしながら言う。

「むしろ優越感を感じるよ。誰もが羨む嫁を貰って、自分のためだけにうまい料理を作ってもらえるんだ。ネットの書き込みなんて屁でもない」

 いかにも彼らしい不遜な態度に、笑ってしまう。

「さすが時成さん……。強いというか、ひねくれているというか」

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