エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う

「そんな男を夫に選んだのはお前だ」

 不本意そうに言った彼は、軽く私を抱き寄せて、額同士をこつんとくっつけた。

 瞳を覗かれて、私たちの間に甘い空気が生まれる。

「はい。大好きです。私は、どんな時成さんも全部」

 時成さんは少しはにかんで、けれどすぐ意地悪く口角を上げて言った

「お前のファンを嫉妬させるために、今の録音しておけばよかったな。で、週刊誌に売る」
「ちょっ、そんなことしたら、いくらなんでも嫌いになりますからね!」
「冗談だ馬鹿。……もったいなくて聞かせられるかよ」

 ぶっきらぼうな口調とは裏腹に、愛おしそうな目をした彼が、傾けた顔を近づけてくる。

 私は素直に目を閉じて、ひねくれ者の旦那様が私にだけくれる、甘い口づけが触れるのを待った。

              



FIN


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