エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
【私としても、ぜひ司波さんに朝食を作ってあげたいので、今夜父が帰ってきたら私からもお願いしてみます。同棲を許してもらえるように】
【意外だな。そんなに俺と一緒に住みたいとは】
【あ、今、傲慢な顔してるでしょ】
【どんな顔だよ】
【鏡を見ればいいじゃないですか】
【面倒くさい。まだベッドの中だ】
ベッドという単語が出ただけで、急に司波さんのリアルな休日の姿が想像できてドキッと心臓が跳ねた。
まだ眠たそうに薄目でスマホを見ながらベッドに横になっている彼は、さぞ色っぽいことだろう。
一緒に住んだら、寝るところはどうなるのかな。広いマンションだったから、私がひとりで使える部屋もあるよね? それともまさか、彼と一緒のベッド?
……って、そんな妄想よりまずは父の説得だってば!
スマホを手にひとりでドキドキしている自分が恥ずかしくて、【パンケーキが冷めるのでこの辺で!】と打って、スマホを逆さにひっくり返してテーブルに置いた。
しかし、直後にスマホが短く震えたので、そうっと表に返してみる。