御曹司は魔法使い⁉︎ ② 〜私達、結婚式を挙げます!〜
昨日はレジデンスから帰るのが遅くなって、ゆっくり話をする時間が取れなかった。
別に必ずしも話さなくてはいけないというわけでではない。でも、私はどんなことでも出来る限り言葉で伝え合って、お互いを理解していきたいと思うから、話すつもりでいた。
真くんのこと、父の気持ち、少し時間がかかったけれど、寿貴先生は聞いてくれた。




「…そうか…。
昨日俺達が行く前にそんな事があったんだ。」

「うん。あそこで気持ちを吐き出してくれて良かったんだと思う。きっとね、限界だったんだよ。今の職場で自分自身が出せてなかったんだろうね。真くんには真くんの良いところがいっぱいあるのにね。
でもきっと、これからは変わると思うの。」

「お義父さんが認めたんだ。それが何よりの自信につながるよ。」

「私もそう思う。
昨日は、一応結婚式の前日で、このタイミングで話し合えて良かったと思うの。真くんのこと。それからお父さんの気持ちも。先に入籍しちゃって、すぐに同居を始めたでしょう? 私、お父さんとちゃんと話が出来てなかったの。毎日コーヒーハウスで会ってたし。それに、すぐに妊娠して、完全にタイミングを逃してた。
昨日は思いがけず機会が得られた。
昨日しかなかったと思うの。」

「そうだな…。」

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