捨てられ幼女は最強の聖女でした~もふもふ家族に拾われて甘やかされています!~
第一話 姉と妹と、創られた世界と
私は生まれた時から〝お姉ちゃん〟だった。
 それこそ、母親の胎の中から出た瞬間から。
 私のそばには、いつだって双子の妹がいたのだ。
「リリーお姉ちゃん、大好きだよ!」
「ローゼマリー、私もよ」
 薔薇色の髪と真っ赤な宝石みたいに綺麗な瞳を持つ、まるで世界に祝福されたみたいにかわいい妹、ローゼマリー。真っ白けな髪と日暮れ前の薄闇みたいな瞳をした私とは、双子なのにまるで違う。鮮やかな色彩を持って生まれた妹は、誰からも愛された。
 多分それは、神様だって例外じゃない。
 私たち双子が、魔力を持って生まれたのも。
 町の教会からお養父様が私たちを連れ出してくれたのも、ローゼマリーのおかげ。
 ――私の幸せ。
 それはいつだって、ローゼマリーのそばにあったと言っても過言ではない。

 私たちは五歳の頃に、身寄りのない子どもを育てていた教会から引き取られた。
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