捨てられ幼女は最強の聖女でした~もふもふ家族に拾われて甘やかされています!~
 そもそも、まだ通いもしていない学園の話をするだなんて! あそこに通えるのは、十六歳になってからだ。もしや、ローゼマリーは未来のことを語っているのだろうか……?
 ――それ以前に、十年後の私が〝悪役令嬢〟になるなんて絶対にありえない!
 大好きな妹の邪魔をする自分が想像できなくて、確信を持って妹を見つめる。
 今まで過ごしてきた時間を思い出してもらえれば、わかってくれるはずだ……!
「〝悪役令嬢〟? よくわからないけれど……私はあなたを傷つけるようなことはしないわ! だって、ローゼマリーのことが大好きだもの。学園へ行くようになっても嫉妬なんてしない。私はあなたの〝お姉ちゃん〟よ! だから信じて……!」
 ローゼマリーが私の言葉を受け入れてくれるのを心の底から願う。しかし――。
「今のお姉様が、私のことを大好きなことくらい、わかっているわ」
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