捨てられ幼女は最強の聖女でした~もふもふ家族に拾われて甘やかされています!~
第二話 捨てられ悪役令嬢、拾われる
森のざわめき。降り注ぐ木漏れ日。土の匂い。
――外なんて久しぶりだなあ……。
ふかふかの腐葉土の上に仰向けになり、ぼんやりと空を眺める。
十年ぶりに地下牢から出たせいか、太陽の光が眩しくて仕方がない。
頬を撫でる風はどこまでも優しくて、このまま眠ってしまいたいくらいだ。
――寝ている場合、じゃないんだろうけれど。
目だけを動かして、周囲の状況を確認する。辺りには鬱蒼と木々が生い茂るばかりで、民家などは見当たらない。紛れもなく森である。クライゼ家の庭なんかではない。
なぜ、こんなところに私がいるかというと、この場所に〝捨てられた〟からだ。
『あなたを廃棄させていただきます』
これは、ある日地下牢にやってきたメイドが私に放った言葉だ。
――外なんて久しぶりだなあ……。
ふかふかの腐葉土の上に仰向けになり、ぼんやりと空を眺める。
十年ぶりに地下牢から出たせいか、太陽の光が眩しくて仕方がない。
頬を撫でる風はどこまでも優しくて、このまま眠ってしまいたいくらいだ。
――寝ている場合、じゃないんだろうけれど。
目だけを動かして、周囲の状況を確認する。辺りには鬱蒼と木々が生い茂るばかりで、民家などは見当たらない。紛れもなく森である。クライゼ家の庭なんかではない。
なぜ、こんなところに私がいるかというと、この場所に〝捨てられた〟からだ。
『あなたを廃棄させていただきます』
これは、ある日地下牢にやってきたメイドが私に放った言葉だ。